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【原作・アニメ共通】
タイトル|えん魔くんの誕生|鬼太郎とえん魔くんどちらが原作?アニメOPと原作1話アニメ1夜と原作2話人間界についてお金持ってるの?火炎のえん魔スカート?

えん魔くんの誕生

※この文章はDVD発売よりもずっと前の2001年に書いたものです

『ドロロンえん魔くん』が生まれるきっかけとなったのは、実は『マジンガーZ』の大ヒットのお陰でもある。当時のフジテレビのプロデューサー別所孝治氏(えん魔くんでは企画者)から、もう1つアニメ枠が取れそうだと話を持ち込まれた所から始まっている。
マジンガーが放送中でもありロボット物とは違う路線でという事で、東映動画から(ダイナミックの方からという説もあり)「妖怪物でいこう」との提案を受け、ギャグ傾向の怪奇物という形の『えん魔くん』となった。

妖怪物というと真っ先に浮かぶのは、やはり水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』だろう。えん魔くんの放映は第2期のカラー版鬼太郎の放映終了から1年後であるが、本作品の企画書は、初期のモノクロ版鬼太郎の企画書から引用されたものである。むしろわざと鬼太郎に似せている節もあるくらいだ。
しかし、単に鬼太郎の二番煎じ的作品に留まらず、鬼太郎を継承しながら異なった要素がたっぷり詰まったのが本作品なのである。

「主人公は爽やかで可愛らしいエッチと明るいギャグを飛ばせる元気な男の子」「その愛とエッチを全身で受け止めるヒロインの女の子」とは、言うまでもなくえん魔くんと雪子姫。また、ダラキュラは動画サイドから「鬼太郎のねずみ男的なキャラが欲しい」との要求で作られたが、漫画の方では動かしにくかったらしく、途中で使われなく(第2話ぽっきり)なってしまった。
キャラクターデザインは豪先生と石川賢先生がほとんど。アニメも原作も妖怪のネーミングはダジャレ攻めで、それも面白い所だ。作り手が楽しんでいるのが伺える。

また、鬼太郎の日本妖怪に対して、えん魔くんは西洋妖怪を日本的にアレンジしたもの。
えん魔くんは閻魔大王のような日本的なキャラで、スタイルを西洋風にアレンジされている。雪女や河童もそのままではなく西洋的にアレンジしたそうな。雪子姫の着物がミニなのはそういう西洋的意識からなのだとか。そう言えば当時ミニスカートが流行っていたっけ。先生の趣味じゃなかったんですねぇ(失礼^^;)

えん魔くんは企画を提出してから僅か1週間程でTV化が決定した。永井豪TVアニメ作品の中では最短記録を誇る作品でもある。その為、アニメの設定を原作に持って来るという荒技も使われた。洋海小やその周辺がそれである。
先生は当時、別誌で『バイオレンスジャック』を平行して連載しており、ハードなジャックで疲れるとえん魔くんで発散して精神的バランスを取っていたと言う。漫画の疲れを漫画で発散するなど、他の誰ができようか!やはりただ者ではない。えん魔くんとほぼ同時に『キューティーハニー』も連載しており、殺人的に忙しい年だったとか。

原作の連載は、本筋である妖怪退治からどんどん脱線して行ってしまうのだが、困ったもんだと思いながらも先生は「えん魔くんのやりたいようにやらせていた」と言う。放任主義なんですね(笑)
閻魔大王どころか生みの親さえ手の付けられない悪ガキ、えん魔くんはそんな子なのだ。


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