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炎の魔人編トップ

魔王城。先程鞭を振るっていた仮面の男・スラムキングに背を向け部屋を見回す炎魔。
周りには中央の椅子に座るキング、側に立つクイーン、護衛の鎧武者達が床に正座し奥に控えている。
炎魔「ジャマだな……」
キング「………………」
炎魔「俺はあんたの病気を治しに来た医者のようなものだ……
 それも”心”の病気をだ…… あんたにはわかっているはずだ……
 それにはこの部屋……… よけいな人間が多すぎないか?」
鎧武者「なにっ!?」
炎魔「魔王と恐れられるスラムキングも護衛がいないと不安だとでも言うのか……?
 鋼鉄の鎧で身を固めた男でも炎で焼かれるのは恐ろしいのか……? フフフ……
 そのこけおどしの鎧の中身は あんがい臆病風にふかれて ふるえる肉があるのかな?」
鎧武者1「なに〜〜っ!?」
鎧武者2「言葉を慎め!!」
鎧武者3「さもなくば!! 生きて魔王城を出られなくなるぞ!!」
炎魔「ハッハッハッ これはまた……面白い」
ステッキの先に火をつける。
炎魔「俺の炎を見てシッポを巻いた犬どもが…… 主人の前だとよく吠える…… フフフ……」
鎧武者「きさま〜!!」
炎魔の挑発的な態度に鎧武者達が刀を抜く。
キング「よい!さがれ」
鎧武者「し…しかし」
キング「よい…… この男と二人になってみたい なにやら面白いことを言う
 ワシが病気だと…」
炎魔「そうだ 心のな
 俺は呼ばれたから来た あんたの心にな……」
キング「それに なにやら面白い”技”をつかうようだな………… おまえ何者だ!?」
炎魔「炎を自在にあやつる能力を持っているのでね
 炎の魔人という意味をこめて”炎魔”と名のっている!!
 まァ地獄の閻魔の親せきすじのようなものさ フッフッフ……
 そして…… 妖怪退治をなりわいにしている」
キング「!?」
クイーン「………………」
キング「妖怪…… 妖怪だと みょうなことを言う……… そのようなものこの世にいるのか?」
炎魔「さてどうだろう………
 そうしたものは いると思う者にはいるし…… いないと思う者にはいない……
 あんたはどう思う……?」
キング「………………
 もう一つ聞こう おまえさっき おかしなことを言ったな ワシが心の病気だと……
 そしておまえが医者のようなものだと……
 医者と妖怪退治 どうつながる……?」
炎魔「フフフ……
 関東に妖怪 魔物のたぐいが現れ出した原因があんたにあるからだ!!
 魔王スラムキングの心の病いが関東に妖怪をよんでいる!」
普段ならこんな非現実的な話に耳は貸さないだろうが、思う所あるのか人払いを命じるキング。
キング「さがれ…… クイーンもだ……」
クイーン「!」
キング「二人になる」
鎧武者達「…………」
怪訝な顔で部屋を出て行く護衛達。一人だけ動かない者が。
キング「どうした?さがらぬのか?」
クイーン「………………
 思わせぶりなことを言ってキングの気をひいていいますが………… こやつ……
 殺し屋かもしれません!」
炎魔「フン」
クイーン「私にも心を読ませぬ超能力者ゆえ危険です」
キング「よい…… よいのだ そやつの言う通り………… ワシは病気なのだ!」

その頃、56ページ目にしてやっと御登場の本命バイオレンスジャック。
ボロボロのマフラーにボロボロコートを羽織り、その巨体は2メートルを超す男。
地面から飛び出た化け物がジャックの姿を見た途端慌てて引っ込んだ。
軽い地鳴りが響き、ジャックが通り過ぎるのを地割れに潜んで見届ける無数の化け物。
一方魔王城を眺めているのは氷の女とアクアラングの男、雪子姫とカパエル(人間姿)のコンビ。
着物のはだけも気にせず岩に座っている雪子姫の股間を下から覗いているカパエル。
「ケケッ ケケケ……」
もうこのページだけでこの二人の性格分かるよねー。

部屋に二人だけになったキングと炎魔が本題を話し出す。
キング「話せ どういうことだ?ワシにはさっぱりわからん」
炎魔「いや あんたはわかっているのさ 心の底でね ただ わかりたくないだけだ
 あんたは何かを恐れているだろう……?そいつがキーさ」
キング「………………
 よくはわからんのだが 何かが目覚めようとしている気がする 途方もない”何か”がだ
 それは目覚めてはいけないものなのだ」
炎魔「それだ!原因は……」
キング「それが何なのか まったく心あたりがない また知りたくもない」
炎魔「フフフ どんどん本音が出るじゃねーか その通りだよ
 あんたは知りたくないのさ!病気の原因がそれとわかっていながらね
 病気の最もよい治療法は その原因を断つことだが……
 あんたが原因を明らかにせぬ以上 別な方法をとるしかない……
 あんたの病気が原因で現れた妖怪どもを 俺が一匹ずつ消していってやろう」
キング「それで治るのか?」
炎魔「とりあえずはな…… 今のあんたの不安感はしずまるだろう……
 しばらくの間にすぎんがね……
 そしてまた妖怪が現れるようなら俺を呼びな 何度でも力になるぜ」

雪子姫の股間を舐め回すカパエル(人間)
「ケケッ!! ケッ!! ハァーハァー ハーハー」
ううっ。エロガッパはともかく姫…微動だにしてませんよ。
カパエル「ケケッ」
雪子姫「来た!! 炎魔!!」
魔王城から戻って来た炎魔の姿を確認して笑顔の雪子姫。うんうん^^
雪子姫「いつまでやってんのよ」
カパエル「ケケッ」
カパエル(人間)を蹴り飛ばす姫。うん…その前に着物直しなさい。
雪子姫「炎魔」
岩から飛び降りる。
袋からジャラジャラと金貨を出して見せる炎魔。
雪子姫「ワァー」
炎魔「純金だぜ」
雪子姫「やったね!」
炎魔「キングは俺達の仕事に金を出してくれた
 つまり俺達を認めたことになる この関東に生きる者としてな フッフッフッ」
雪子姫「フフフ」

満月の夜。腕組みをして窓際に立つスラムクイーン。
(わからない なぜ…… ともかく………… 関東に何かが起こり始めてる 何かが………)
強い予知能力を持つクイーンは一人何かを感じ始めていた。

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