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炎の魔人編トップ

三日月浮かぶ荒野にマント姿の青年が一人立っている。
遠くから ドドド…と音を立て近付いて来る、鎧武者を乗せた騎馬軍団。
鎧武者1「オイおまえ!!」
馬を止めマントの男を問いただす。
鎧武者1「何者だ!? これからどこへ行く!?」
青年「………………俺か…!?フフフ 俺は地獄の使いだよ それよりおまえらなんだ?」
鎧武者1「なに!? きさまこの地にいてドラゴンを知らんのか!?」
鎧武者2「ふざけると ただですまんぞ!!」
青年「ドラゴン……… そうかおまえらがドラゴンか ……なら
 俺を魔王城とかへ案内しな!! 魔王とかに会ってやろう」
鎧武者「なに!? なめるな小僧が〜〜っ!!」
青年の態度に怒った鎧武者が馬で突っ込んだ瞬間、鎧武者が爆炎に包まれた。
鎧武者3「気をつけろ こいつ変な武器を持ってるぞ」
青年「武器なんざ持っちゃいねーぜ ただのステッキだ…………
 だが……俺がこいつで指した所が燃えるぜ」
鎧武者3「なにっ!?」
青年「それっ」
青年がステッキの先を回転させると炎が飛び出し、鎧武者達に襲いかかる。
「うわあ〜っ」「ぎゃあ〜っ」
「ひ……ひけ〜っ!!」
たまらず退却する騎馬武者隊。
青年「バカめが シッポを巻いて逃げるぐらいなら ハナっからつっかかるんじゃねえ
 奴らの逃げた方向に魔王城があるということか………」
もうお判りだろう、この青年が炎魔である。
その後ろ姿を遠くから見つめるマント姿の女。「バイオレンスジャック」の分身の一人。

翌朝、川辺へマント姿の少年がやって来る。彼もバイオレンスジャックの一人だ。
少年ジャック「♪ !?」
川で水浴びをしている女性の後ろ姿を発見。
気付かれぬよう、そろりと近付き茂みに隠れて覗く、お年頃な少年ジャック。
「ゴクッ」
少年ジャックが生唾を飲み込んだ音に女性が気付き、振り向いた。
「!? だれ!?」
その顔は切れ長の目をした美人。両耳に髑髏のピアスをしている。
女性の目が光ったと思うと川の水が噴出し、少年ジャックの体を濡らす。
わあ〜っ ひゃっ!!」
水はあっという間に凍り付き、少年ジャックは逃げる間もなく氷漬けに。
女性「なんだガキか……………凍らすほどのこともなかったわ こっそりのぞいたアンタが悪い
 アタシを怒らせたから………」
岸に上がり着物を身に着け去って行く。名前は出ないが雪子姫その人。
そしてまた立ち去る姿を遠目から見つめる女ジャック。
「炎と氷の超能力者か 恐ろしい者達が現れたものだ」
すぐ側で少年ジャックの氷が溶け蒸発。
少年ジャック「ふう〜〜ヤレヤレ えれえ目にあっちまった オイラでなきゃ死んでるぜ!
 炎と氷って言った!?」
女ジャック「そう 炎を自在にあやつる超能力者 そんな奴を昨日 見た」
少年ジャック「たまんねえなあ
 関東についにそんな奴らが たくさん現れだしたか
 それってかなりヤバイんじゃない!?」
女ジャック「そう かなりね……
 真の魔王の目覚めが近いのかもしれない それも悪しき方向の目覚めが……」

魔王城。部下は鎧武者だが城の方は近未来的なタワーと言っていい。
城に向かって歩いて行く炎魔。
一方城の中では雄叫びとともにビシビシと何かを叩くような音が聞こえる。
観音開きの鉄扉の前に左右に並んで正座する鎧武者達は、恐々とした様子で廊下に控えていた。
その「音」とは、面をつけた鎧の男が、手足を切断された青年を酷く鞭打つ音だった。
青年は裸で鎖付きの首輪をつけられまるで犬のよう。同じような姿の少女までいた。
鞭打たれている青年は『デビルマン』の飛鳥了、少女は牧村美樹。
暫く側で様子を見ていたボディスーツの女性がたまらず声を張り上げる。
「おやめ下さい!! それ以上やると死にますよ」
しかし尚も止めようとせず鞭を振り上げた瞬間、女性の目が光り鞭が千切れた。
息を切らし冷静になった仮面の男が目を向ける。血塗れで横たわる了。
クイーン「………………」
キング「フウ ハア………」
千切れた鞭を床に落とす。
キング「どうしたんだワシは…?」
クイーン「………………‥」
キング「何をしていた…?」
記憶がないのか少し混乱しているようだ。
直後、城が大きくグラリと揺れる。
鎧武者1「地震!」
鎧武者2「大きいぞ!!」
程なく山が噴火。
海を挟んで噴火を見る少年ジャック。
「やべえ……今度は三原山あたりが火を吹いてやがる なにやら危なっかしいぜ…………
 !!」

水の中から泡がたち、水面が盛り上がる。
少年ジャック「!? な……なに!?」
水面から現れたものの顔は、まるで河童に見えた。

揺れが小さくなる。
クイーン「おさまったわ…………」
鎧武者1「久しぶりの大地震だったな…………」
鎧武者2「オイなんだアレ!?」
鎧武者3「!?」
空に下半身と腕が馬の、一つ目の怪物が浮かんでいた。その向こうに見える炎魔のシルエット。
鎧武者達は唖然とした表情で空を見上げている。
空の怪物が消えた直後、地面から得体の知れぬ化け物数体が飛び出した!
間髪入れず炎魔がステッキで化け物達を焼く。
炎魔「スラムキングに会いに来た!! キングは今 俺を必要としている!!」

枯れ木の横に立つ女ジャック。
突如幹から化け物が出現、鞭でこれを叩き消した女ジャックはその場を立ち去る。
一方少年ジャックは水の中から出て来た河童に驚き思わず目を擦る。
よく見るとそれはアクアラングをつけた人間の男だった。
少年ジャック「!?(ア…アクアラングの男……あいつがなんでカッパに見えたんだ?)」
河童男「ニヤッ」
河童男が薄気味悪く笑ったのを少年ジャックは知らない。

中盤へ続く→

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