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※壁紙色、本文の文字色などは雑誌連載時と同じ雰囲気にしてあります。
(えん魔くん)ぼくにちょう戦するよう怪たちが、あまりにも頭が弱いのでこまってるんだ。
(1974年3月号『小学四年生』表紙コメントより)


「でたようじゃ。」
「あやマリ。」
「電気アンマ。」
「しびれやなぎ!」
「へびつぼ。」
妖怪達が顔を揃え名乗る目の前にいる頭巾の後ろ姿。
頭巾の妖怪はど黒。名前通り骸骨の体をしている。
ど黒「しょ君!! こんどというこんどは、あのにっくきえん魔を殺す!!
 しかししょ君!えん魔はなぜか強い!!」
でたよう「そうだそうだ。
 2月号では わいら三びきで戦って えん魔に負けたもんね。 デヘヘヘ。」
笑い事じゃないぞでたよう。
ど黒「そうだ、ただ人数を集めて戦ってもだめだ。そこでわしは考えた。 合体するのじゃ。」
でたよう「合体? ?」
ど黒「それぞれが持ってるのう力をあわせて、一つのからだとなって戦うのだ。」
へびつぼ「オーッ!なるほど。」
でたよう「あったまいい!顔のわりに…。」
今どさくさに紛れて何か言ったぞ。
ど黒「合体」
全員「いやーっ」
へびつぼ「カッコイーッ!」
奇声をあげ、あやマリ、でたよう、ど黒、しびれ柳が、へびつぼの上にジャンピング。
ピカーッ
光ったと思うと、トーテムポールのように縦一直線に顔だけ繋がった妖怪達の姿が現れた。
全員「ついにやった 合体成こう!」
下からへびつぼ、あやマリ、でたよう、ど黒、しびれ柳。
でたよう「あれ、電気アンマがいねえぞ。」
電気アンマ「おーいこっちだこっち。がんばっとるぞ。」
電気アンマは後ろ側でよつんば状態で腰から下が皆とくっついていた。
ど黒「前進じゃ。」
へびつぼ「あっ、よく考えたら、おれ、足がないんだ。」
ど黒「手がある、手で歩け。こんじょう!」
アニメでは足も生えていたけど、こちらではないんだね。(豪ちゃん版では手もないぞ)
へびつぼ「う〜〜ん」
腕に力を込めるへびつぼ。
でたよう「おっ動いたぞ。きせきだ。」
不明「こんじょうだ!」
電気アンマ「ほんとにこれで えん魔に勝てるのかな?」
トーテムポールはワッショイワッショイとへびつぼを囃し立て、後ろの電気アンマは早くも不安げ。

えん魔くん達の住む地獄別荘。
トロ〜ンとだるい擬音。中から「グー」「スー」と漏れて来る。まだ眠っているようだ。
そこへドス〜ン、ドス〜ンと大きな音で目覚めるえん魔くん。枕が髑髏だ。寝心地悪そう;
えん魔くん「ムーッ…。ええい、うるせえな。」
うおっ、裸だよえん魔くん!一糸纏わぬ素っ裸だよ!
雪子姫達も起きて来た。姫は薄氷のネグリジェのようだ。
えん魔くん「なんの音だ。」
雪子姫「安みんぼうがいだわ。」
カパエル「工事でもやってるんでしょうかね。ぼくもんくいってくる。」
えん魔くん「カパエルがんばれよ。」

橋(氷じゃなくて普通の板っぽい)を渡って地上の倉庫入り口(跳び箱)に出るカパエル。
「日本もすみにくくなったな。政治家はなにしとる。」
プンプンしながら倉庫の外へ出て
「こらー静かにせい。」
と怒鳴るが、カパエルには目もくれず子供達が悲鳴をあげながら逃げて行く。
「きゃー」
「わあー」
ドドーン ズガーン
外では、大きな黒い物体が校舎を壊していた。
崩れる校舎から逃げる子供達の姿もある。授業中だったのか?(えん魔くん達寝坊してたのかな?)
妖怪s「わあーもっとしっかり歩け!」
カパエル「ん?やっぱり校しゃをとりこわしてる。でっけえ音だしやがって。
 こら、静かにやれい。」
校舎の取り壊し工事だと勘違いしたカパエルが文句をつける。
でたよう「あっ。あれはえん魔のけらいだ。めっけたー。」
カパエルワアッ よう怪だ!」
えん魔くん「なに、よう怪!? はい、♪そこでえーん魔くーん♪」
意気揚々と出動するえん魔くんと雪子姫。跳び箱の中からバーンと飛び出す。

えん魔くん「むっこれは。」
妖怪s「ワハハハ…」
ど黒「みんな見ろ。えん魔の動ようを。作戦成こうだぞ。
 ヒヒヒヒ‥血まつりだあ!」
へびつぼ「ムー。」
へびつぼが進もうとしてバランスを崩す。
「ああ?」
ヨロけて、上の妖怪達は校舎に頭をガチーンとぶつけ「フンギャ。」
ど黒「しっかりしてくれ、へびつぼ。」
えん魔くん「なんだありゃ?」
シャポー「?」
「ホリャー フーッ」
かなり力んで必死に体勢を整えようとするへびつぼ。
えん魔くんがステッキでチョン、とへびつぼの右手をはらう。
へびつぼ 「あっ」
ベターンと大きな音をたて倒れる妖怪トーテムポール。顔面打ちです。
えん魔くん達は「あはは やった」と大笑い。
でたよう「あっ、しびれやなぎとど黒がのびちゃった!」
へびつぼ「ああん、ど黒がいないともとにもどれないよう。」
カパエル「こりゃおもしろい。」
面白がってカパエルが一番下のへびつぼをドンと突く。
へびつぼ「ワーッ!」
妖怪s「れれれ。」
みるみる傾き、ドガ〜ンと派手な音。
パトロール隊「はははは」
カパエル「がんばりますなあ。」
えん魔くん「ほんと。」
へびつぼ「くそっ。えん魔!
それでも一番下のへびつぼと電気アンマは諦めない。気絶した上4人を引きずりながら前へ進む。
カパエル「このへんで一ぱつきめんといかんですかな?」
えん魔くん「そのようですね。 はい火えんぼう。」
呑気な会話の直後、ステッキからボーンと火が出る。
「フンギャー」

妖怪達はやられたかに見えたが、まだ生きていた。
へびつぼだけが動いている。陶器だからしぶといのかな?
学校の正門に這い出て捨て台詞。
へびつぼ「くそうっ。 だれだ、合体すれば勝てるなんていったやつは。
 こんどはひとりで来るぞ。おぼえてろ。」
えん魔&カパ「あの人、まだやる気でいるらしいよ。」
笑っているが、この根性は見習えよえん魔くん。

ブオー
「ギャア」

妖怪sは、道路へ出てすぐにトラックに跳ねられる。
ドカーン
「ほぎゃっ」
アレーと遠くへ飛ばされて行く妖怪s。さすが漫画、よくぶっとぶな〜。
えん魔くん「だめなよう怪たちだなあ。あれで小学五年生で活やくできるかなあ。」
カパエル「ほんと。」
雪子姫「しんぱいね。」
怒黒と出た妖はこちらでも情けなかった(苦笑)。


●かよわいよう怪が相手じゃ、えん魔くんのうでがにぶってしまいますよねえ。小五4月号でまた会いましょう。(柱コメントより)

雑誌は一月前に発売されるから、3月号って実質まだ2月なんだよね。次で最終回です。

小学四年生1974年3月号/完

2月号 4月号

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