※壁紙色、本文の文字色、句読点などは雑誌連載時と同じ雰囲気にしてあります。
★えん魔くんたちに人間界へ行く命令が下ったぞ!!!(掲載時の柱コメントより)
本編
地獄の支配者、えん魔大王が叫ぶ。
「火炎のえん魔よ!人間を苦しめる妖怪どもを倒すのだ! ゆけ、人間界へ!!」
「いそげー!!」
馬らしき飛行動物に乗って、えん魔くん、シャッポ、雪子姫、カパエル登場。
雪子姫 | 「イヤーン。チコクよチコク〜!」 |
えん魔くん | 「ウオオオ、まにあわねー!!」 |
なにやら慌てている様子。水面ぎりぎりを飛ぶ馬の勢いで水棲妖怪達が波に飛ばされている。
よく見るとシーパンサー(ハニー)やダゴタ(バラバンバ)なんかもいる♪
えん魔くんたちが急ぐその先は…!?
えん魔くん「おい!もっとスピードが出ねェのか!オグリ=シンボリ!」
馬をつついて急かすえん魔くん。
雪子姫 | 「ちょっとえん魔くん!」 |
えん魔くん | 「なんだよ!」 |
雪子姫が眉を吊り上げる。
雪子姫 | 「いくら いそいでるからって、オグリをいじめるの よしなさいよ!」 |
えん魔くん | 「なにィ〜〜〜。」 |
今度はえん魔くんが眉を釣り上げ、
えん魔くん | 「てめーがチンタラ着物なんかえらんでるから、おくれてんじゃねーか。アホ雪女!」 |
雪子姫 | 「二時間もねぼうして、みんなにメーワクかけたのは だれなのよ!」 |
えん魔くん | 「あうう。」 |
どっちもどっちです。
カパエル「まーまー、ふたりとも。」
そんな2人を止めるのは御存じシャッポじい…ではなくカパエル。
「ケンカはあきまへんで〜〜。」
ひたすら”かっぱチップス”をバリバリ食べるカパエルに、八つ当たりするえん魔くんと雪子姫。
えん魔くん「テメーは なによゆーこいてんだ!」
頭グリグリ。
雪子姫「ひとりだけ のんびりと おかしなんか食べちゃって!」
ほっぺたつねってギュ〜〜。
泣き出すカパエルを笑う2人(酷え^^;)だが、またすぐ喧嘩モード。それを見兼ねたのはシャッポじい。
「いーかげんにしろジャジャ!今から仲間割れしてどーすんジャ! 今は一秒でも速く"地獄門"にゆかねばならんのに!」
地獄門!それは地獄と人間界をつなぐ異次元通路! 地獄門は月に一度だけ。ほんの数分しか開(ひら)かない。 だから一度機会をのがすと、1か月待たねばならない。
刻一刻と時間が迫る地獄門の前で、落ち着きなくえん魔くん達の到着を待つ大王様。
「おそい!まもなく地獄門はひらいてしまうぞ! えん魔たち妖怪パトロールはまだか?」
再びえん魔くん達。シャポーの説教が続く。
「妖怪パトロールの到着がひと月おくれれば そのぶん人間がヒガイにあうというのに……! くだらんケンカなどしているヒマはないジャジャ!」
その時、えん魔くん達の上空から飛行動物がいきなりオグリに体当たりをして来る。
えん魔くん | 「な、なんだ?」 |
雪子姫 | 「あっ!えん魔くん!あれは!?!」 |
雪子姫が指差す方向に、飛行動物に乗った無数の鬼の群れ。鎧や旗印に「百」の文字が見える。
えん魔くん | 「地獄の暴走族 百鬼隊!」 |
他三人 | 「え────っ」 |
えん魔くん | 「やっかいなやつらが あらわれやがった!」 |
一際巨大な飛行動物に乗った、リーダーらしき鬼がえん魔くんに挑戦して来る。
百鬼 | 「えん魔ー!きょうこそケリをつけてやる!!」 |
えん魔くん | 「百鬼!!」 |
シャポー | 「どーゆーことじゃ、えん魔くん!」 |
えん魔くん | 「いや、なにね。百鬼隊とはちょっとモメててね。あはは…。 今は五十鬼隊くらいのはずさ。」 |
どうやら以前喧嘩したらしい。しかし百対一で半分減らしたのぉー!?強いぞハガネえん魔くん!
雪子姫 | 「笑いごとじゃないわよ!あんたって人は〜!!」 |
えん魔くん | 「あはっ。」 |
カパエル | 「責任とらんかい!このアホ!!」 |
調子に乗ってアホ呼ばわりしたカパエルは次のコマでたんこぶが出来ていた。
えん魔くん | 「うるせー!ガタガタぬかすんじゃねー!!」 |
雪子姫 | 「じゃ どーするつもりよ?」 |
えん魔くん | 「きまってらー。 強行突破だぜ!! いくぜ、百鬼隊!!」 |
ステッキを振り回し、オグリごと百鬼隊に突っ込んでいくえん魔くん。一気に迫る百鬼隊。
えん魔くん | 「うおおお!」 |
雪子姫 | 「ム、ムチャよ、数が多すぎるわ。」 |
えん魔くんのステッキがボン、と炎を出す。
「えん魔妖力(ようりょく)…、百裂火炎弾(ひゃくれつかえんだん)!!」
バトンのようにステッキを手元で回転させ、その勢いで炎が火の弾のように飛び散る。
百鬼隊を次々と打ち落としていくえん魔くん。派手で凄いぞ!
えん魔くん | 「わはは!どけどけー。」 |
百鬼隊A | 「下が死角だ!下から攻めるんじゃー!」 |
百鬼隊B | 「ウオオッ」 |
雪子姫 | 「!」 |
下方から上がってきた百鬼隊の一人が、雪子姫の目の前に現れる。
「雪子妖力氷化粧!」
たちまち凍る敵。氷化粧は、ハガネ版ではオリジナルの冷凍光線と同等の技のようだ。
百鬼は隙をついて、雪子姫を鷲掴みに。(百鬼は雪ちゃんを片手で掴めるくらい大きい)
雪子姫 | 「きゃ───。えん魔く〜ん!」 |
えん魔くん | 「ウッ、しまった!雪ちゃ〜ん。」 |
カチッ、カチッと複数の時計の針が同じ時間をさす。ゆっくりと地獄門が開く。
閻魔大王 | 「おお!もう地獄門がひらきはじめた!! なにをやっとるんじゃ。えん魔たちは!?」 |
大王様も気が気ではない。その頃えん魔くん達は…。
百鬼「さ──、どーするえん魔!ガハハハ。」
百鬼に締め付けられうめく雪子姫。
雪子姫 | 「ううっ。」 |
えん魔くん | 「百鬼、てめ──!!」 |
百鬼 | 「なかなか うまそうだな!」 |
口を開け、雪子姫を食べる振りをする、意地の悪い百鬼。
えん魔くん | 「ま、まて百鬼! しかたねー。おれの負けだ!! おれを好きにしろ!」 |
雪子姫 | 「えん魔くん、ダメー!」 |
えん魔くんは単身で百鬼に向かい飛んでいく。勝ち誇って喜ぶ百鬼。
「勝った!えん魔が負けを認めた!!ガハハハ ついにえん魔を負かしたぞー!!」
負かすも何も。えん魔くん一人相手に大人数でかかった上、人質までとって勝利とは呼べんぞ。
雪子姫 | 「ひきょー者!どーしてそんなにえん魔くんにこだわるの。つきまとうのよ!」 |
百鬼 | 「へっ!えん魔に泣きっツラさせりゃ、スカッとするからよ!」 |
雪子姫 | 「………!ウソね」 |
百鬼 | 「なっ!なに──?」 |
雪子姫 | 「あなたえん魔くんが好きなんだわ!」 |
ホホホと笑いながら、とんでもない事を口走る雪子姫。いいのか?(^^;)
百鬼 | 「バカぬかせ!オレはただ、えん魔が気にくわなくて…。」 |
雪子姫 | 「いーえ!こーまでえん魔くんにつきまとうのは、自分にふりむいてほしいからだわ! 気づかないフリはやめて、もっと自分に素直になりなさい!!」 |
百鬼 | 「うっ!いや、オレは…、」 |
雪子姫の力説にガーンとたじろぐ百鬼。……おいっ!
えん魔くん | 「なんだよ百鬼。そうならそうと いってくれりゃー、おれだって。」 |
百鬼 | 「ウオッ えん魔、いつのまに!!」 |
百鬼の頭の上に乗っているえん魔くん。
「オレから愛をこめて……、えん魔妖力焦熱地獄!」
ステッキの炎で一丁上がり。
雪子姫「ウフフ、作戦成功!」
2人の息の合った作戦、見事でした。変な想像した輩は反省するように!(笑)
えん魔くん「さあ、地獄門へ全速力だ!」
しかし、時遅し。
閻魔大王「ううっ!と、とじてしまう!」
地獄門が閉じていく。ついに完全に閉じたその時、えん魔くん達がやって来た。
雪子姫 | 「ああ!地獄門が……!」 |
シャポー&大王 | 「まにあわなかったか……。」 |
がっくりする大王様とシャポー。
えん魔くん | 「あきらめるんじゃねえ。いくぜ!妖能力ビッグ=ステッキ!」 |
巨大化させたステッキを突っ込み、強引に地獄門をこじ開ける。大王様もびっくり。
閻魔大王「わ〜〜、ムチャすんな!」
無理矢理ではあるが、4人はなんとか地獄門を抜け、人間界へ出た。
えん魔くん「妖怪パトロール参上!人間しょくん、おまたせー!!」
■過激に元気な妖界ボーイ!えん魔くんの活躍に注目しよう!!
ドキドキ!えん魔くん別コロスペシャル12月号編/完
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