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ドキドキ!えん魔くんトップ

月刊コロコロコミック1992夏休み増刊号編

※壁紙色、句読点などは雑誌連載時と同じ雰囲気にしてあります。

本編

地獄の支配者、閻魔大王が叫ぶ。
「地獄界を抜け出した妖怪どもが地上で暴れまわっておる!!
 火炎のえん魔よ!地獄の大王として命ずる!!
 ゆけ!人間界へ!! やつらを連れもどすのだ!!」

地上の人間界。辺りは暗く、進学塾帰りの小学生三人が談笑しながら歩いている。
少年A「ま〜ったく。坂本講師(さかもとせんせい)にもまいるよねー。話長くてさァ。」
ふと、足下の路面にでかでかと描かれている不気味な顔の絵に気付く。
少年A「ん?わーなんだこりゃ!?」
少女「きゃあ〜」
少年B「!?」
少年A「な、なァんだ。らくがきかあ…。」
少女「でも、なんか…。」
少年B「きもちわるいなァ…。」


■さっそく事件だ!!(掲載時の柱コメントより)


少年A「い、生きてるみたいで、やだねー。」
少女「あは‥」
少年B「ブキミ──。」
謎の声「生きてるのさ…。イヒヒヒ!
路面の顔が喋り、ニタリと笑う。
同時に、カパエルを連れて飛行中のえん魔くんの眉毛が激しく震える。
えん魔くん「ムッ。妖怪反応だ!いくぜ!カパエル、シャッポじい!」
反応のあった場所へ降りる。
えん魔くん「ここか!ちっ!おそかったか…。」
カパエル「ひえ〜〜っ。し、死んでまっせ!」
シャポー「なんと。」
そこには先程の小学生三人が倒れており、えん魔くんは何かの気配を感じる。
「ハッ!」
空中に女の子の顔が浮かび上がる。そして次々と色々な女の子の顔が出現。
カパエル「え?え!」
えん魔くん「!」
カパエル「この女の子のカオや!」
少女「ね──、キミ…。ウフッ そこのカッコイイキミィ。わたしたちと遊ばな〜い?」
少女達「あそびましょ〜〜っ。」
えん魔&カパ「あひゃ〜」
えん魔くん「あわわ、カッコイイだなんて…。そんなホントのことを…。」
おいおい、こんな状況で何喜んでるんだ二人とも。
少女「ウフフ。」
えん魔くん「あそびってーと、やっぱ、お医者さんごっこかな?それともキスごっこ?」
雪子姫「雪子妖力氷化粧(ゆきこようりょくこおりげしょう)!!」
えん魔くん「!」
※雪子妖力”氷化粧”=相手をすぐさま氷づけにしてしまう、雪子姫得意の妖能力。
お約束ながら、えん魔くんあえなく氷漬け(笑)
雪子姫「なにやってんのよ、えん魔くん!! 妖怪パトロールの仕事をなんだと思ってるの!?」
カパエル「ゲッ!雪子姫!? せや!だらしないで!!」
姫が現れた途端掌を返すカパエル。うん、原作はこういう調子のいい奴だよね(笑)
雪子姫「デレデレしちゃっても〜〜!!」
カパエル「やきもちやいてるんや〜。」
余計な一言で頭をビターンと引っ叩かれる。
雪子姫「べ…、別にあたしは どーしてもえん魔くんと組まなくても いーんだからね!!」
カパエル「せや!雪子姫なんぞ、相手にすな!」
雪子姫ツンデレ?ツンデレってやつですか?
カパエルはまたも余計な一言で更に強くバチーンと引っ叩かれる。鼻血出てますよ。
雪子姫「いっておくけどね…、」
カパエル「もともとおまえはアホなんや〜。」
氷漬けで動けないえん魔くんに言いたい放題の暴言。
雪子姫「アホはあんたでしょ!」
カパエル顔がボッコボコ。結構過激だハガネ雪子姫!
そんなくだらない喧嘩をしていると、雪子姫の周りに今度は少年達の顔が出現。
雪子姫「あ!」
少年B「ねーちゃんケンカなら…、オレたちとしようぜ!!」
お、ケダマンとかジャックみたいなのがいる(笑)
男どもに一斉に襲いかかられ、
雪子姫「イヤ〜ッ。たすけて、えん魔くん!!」
えん魔くん「ふっ。ふざけんなこのヤロー!! オレの雪ちゃんに なめたマネすんじゃね──!!」
怒り爆発、氷を砕いてえん魔くん解放!しかしすぐに少年の頭がえん魔くんめがけて飛んで来る。
少年C「ケケケ。」
腹に思い切りヒット。
えん魔くん「グワ。うげ〜〜。」
少年C「イヒヒヒ。」
えん魔くんが手をかざすとステッキが現れる。物品引き寄せが出来るのか。
えん魔くん「妖能力ステッキ!も〜〜っアッタマきたぜ!! てめェら ぶちのめしてやる!
 ウオオオオ
少女「きゃあ〜」
えん魔くん「このヤロ〜!」
少女の頭を掴み、ステッキを振りかぶる。ところで「野郎」は男に使う言葉よ。女は女郎(めろう)。
少女「やめてーっ。」
泣き叫ぶ声に躊躇し、動きが止まるえん魔くん。
少女「わたしたち あやつられているの。だから乱暴しないで…。」
えん魔くん「う〜〜。」
少女2「女のコには やさしくするものよ。」
ハラハラと泣かれ、ますます手が出しにくいえん魔くん。うんうん。えん魔くんはこうだよね^^
女蛮似の子「やさしく…、」
男子似の子「やさしく…、」
少女達「いたぶらせてね──。」
えん魔くん「ウギャ〜ッ」
一斉に噛み付かれ、思わず悲鳴をあげるえん魔くん。
カパエル「あわわ えん魔くん!?雪子姫〜〜っ。」
二人のピンチにおろおろするカパエルの頭上に、熱い雫が落ちる。
「アチッ。」
見上げると、背後の団地の壁面に巨大な顔が貼り付いている。
カパエル「アギャ〜。」
マンダラ「妖怪パトロールだと…。ガキどもが片腹いたいわ。」
シャポー「あ、あれは妖怪マンダラ!妖怪刑務所を脱獄した…、極悪妖怪ジャジャ!
 少女たちの人魂は…、やつにあやつられておったのジャ!!」

妖怪手配書《No.1112》
マンダラ
[能力]あらゆる生物の魂をぬきとり 自由自在にあやつる。
   ビルや道路などにひそみ えものをねらう。

外見は頭だけの妖怪で大きな牙と右目がガラス玉のようになっている。
マンダラが壁面から飛び出し、えん魔くんを挑発。
マンダラ「きさまらもわしの、人魂コレクションにくわえてやる!」
えん魔くんバカヤロ〜 てめーのいどころさえわかりゃー、こっちのもんだ!!」
少女達の人魂を振りほどき妖怪に向かって行くえん魔くん。
シャポー「気をつけろえん魔くん!!マンダラのあやつる人魂は、攻めと守りをかねておる!!」
えん魔くん「しゃらくせ──、くたばれマンダラ!えん魔妖力、焦熱地獄!!」
マンダラ「わが人魂よ盾となれ!!」
シャポー「いか〜〜ん!!えん魔くん!?」
えん魔くん「なにィっ!」
マンダラは卑劣にも子供らの人魂を盾に!
子供達「わ〜〜っ!! きゃあ〜。 ひいい。」
雪子姫「あぶない!雪子妖力氷化粧!!」
間一髪、雪子姫が炎を凍らせ子供達の人魂は消滅を免れた。
マンダラ「ぬっ。」
えん魔くん「ふ〜〜。あぶなかったー。」
雪子姫「ばか〜〜っ。人魂までもやす気!?
 首だけになってあやつられていても、元は人間なのよ!!」
えん魔くん「うう!」
雪子姫「あなた妖怪パトロールでしょ!」
カパエル「やっぱアホや。」
えん魔くん「ちくしょー!これじゃ手も足も出せねーぜ!どーすりゃいいんだ!?」
マンダラ「おしえてやろう。えん魔!!
 ムダなあがきをやめて、わしの人魂の仲間に入ることだ。ワハハハ!」
カパエル「せや。そのとーりや! えん魔く〜ん、このさいや。やられてまえ〜。」
雪子姫「カパエル!」
ずっこけるえん魔くん。カパエル懲りないなぁ。
カパエル「あんたみたいなアホは、くわれたほうが世のためや!」
えん魔くん「カパエルてめー!」
カパエル「もう うつ手ェなしや。パッと死に花さかせまひょ!
 雪子姫のことはワイにまかしてや。たんとかわいがりまっせ〜〜!!」
雪子姫「まっ(ハート)」
姫、「まっ(ハート)」じゃないです;
えん魔くん、怒るかと思えばすっきりした晴れやかな笑顔で
えん魔くん「…………。それもそーだな…。あばよ、みんな世話になったぜ。」
雪子姫「えっ?」
カパエル「ウソ!?」
マンダラ「グググ、かんねんしたか!」
何と、えん魔くん自ら妖怪の口へ飛び込んで行く。
雪子姫「イヤァ〜。」
そのままバクリと食われてしまった!
雪子姫「!」
カパエル「あ
 (アホやアホやと、思うとったけど…、)
 ホンマのアホやった!えん魔くんのアホ〜〜〜!!(泣)」
まさか本当に食われてしまうと思わなかったのか、大泣きのカパエル。
雪子姫バカ〜!!あんたがよけいなこというからよ!」
カパエル「わぎゃ〜〜ん。」
雪子姫、今度は本気のきついビンタ。
マンダラ「さて、つぎはおまえたちの番だ!!」
雪子姫「!」
人魂が雪子姫達に向かって放たれる。
「きゃあああ」
しかし、何故か直前でピタリと止まった。
雪子姫「!」
カパエル「へ?」
マンダラ「ぐぐっ!!」
突然妖怪が苦しみ出す。頭頂部が盛り上がり、何かが出て来ようとしている!
マンダラ「ぐわあああ」
雪子姫「ま、まさか。」
飛び出したのは、えん魔くん!
マンダラ「ぎゃあああ」
えん魔くん「かかったな!マンダラ!!このマントは鉄壁のバリヤーなんだぜ!
 内からの攻撃に人魂はつかえまい!!」
雪子姫「えん魔くん!?」
まだ妖怪は生きている。頭ぶち抜かれたのに凄いな!マンダラは右目を光らせ人魂を呼ぶ。
マンダラ「おのれ!人魂よ!!」
えん魔くん「フフン。」
マンダラ「ウォッ。」
えん魔くんが妖怪の右目の珠を引き抜くと──。
人魂達「あああ
マンダラ「し、しまった!ああ──。わしの人魂が〜!?」
妖怪に操られていた人魂が一斉に解放される。
えん魔くん「やっぱりこの珠であやつってやがったな!
 人魂さえいなけりゃ てめーはただのドロまんじゅうだぜ!」
マンダラ「か、かえせ!」
えん魔くん「雪ちゃんパス!」
マンダラ「あっ。」
雪子姫「オッケー(ハート) カパエル!」
マンダラ「うっ。 ムッ。」
カパエル「えん魔くん!」
皆で珠を投げ渡し合い妖怪を翻弄する。最後の仕上げは当然…
えん魔くん「うお〜〜っ!」
ステッキで見事に打ち上げた。
カパエル「ホームランや〜〜!!」
マンダラ「あああ。」
珠を失いすっかり弱腰になった妖怪ににじり寄るパトロール隊。
雪子姫「ニヒヒ〜。」
マンダラ「アハ。」
えん魔くん「へっへっへっ。」
マンダラ「アハハ。」

妖怪マンダラ
○月○日 地獄界へ強制送還。

シャポー「これで解決ジャ!」
ボコボコにシメたけど殺さずに送還しました。
雪子姫「人魂が元の体にもどっていくわ。」
シャポー「マンダラをやっつけたからジャジャ。」
えん魔くん「あ、いけね──!お医者さんゴッコの約束わすれるとこだったぜ。エヘヘ。」
少女「う〜ん。」
そんな事はしっかり覚えてるんだな!雪子姫のお顔が引きつってますよえん魔くん!
えん魔くん「あ。キスごっこの約束もしたっけ!ん──。」
雪子姫「えん魔!!」
蛸のように口をすぼめた所で雪子姫に氷漬けにされ、ズルズルと引きずられる。姫、案外力持ち!?
えん魔くん「あ。ちょっと。そんな。雪ちゃん。」
雪子姫「仕事はおわり!帰るわよ!!」
カパエル「やっぱアホや、この人…。」
えん魔くん「ひ、ひくひょー!!」


■悪ガキだね。

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